「同和はこわい考」通信インターネット版
■京都府部落解放センターの「水平社会への道標」
 2001年10月27日、部落解放同盟中央副委員長・京都府連合会委員長の駒井昭雄さんがお亡くなりになりました。60歳でした。
 その遺族より、記念碑「水平社会への道標」が寄贈され、2003年10月27日、京都府部落解放センターの入り口に設置されました。
 設置費用だけで数百万円、制作費を合わせると一千万円を超えると言われています。
 書かれている内容は、次のとおりです。
 差別と貧困の中でどうしよもない運命と嘆き
諦めつづけてきた人たちがいた
差別社会の矛盾に気づき、胸張って生きるため
差別への怒りを突き上げた
 その壮烈なたたかいは 人間としての自由と平等の
権利を奪い返すものであった
 時には 烈火のように激しく
 時には 人としての温もりとやさしさがあった
そんなたたかいの中から 「部落民魂」は生まれた
そして 多くの誇りうる活動家を育てた

水平社会を現実のものにする道程はつづく
「部落民魂」を創造した先人たちの遺志と偉業を称え
その生き方をしっかりと継承する

  2003年10月27日 制作 佐野 賢
 藤田敬一さんによると、次の通り。
 『記念碑は各地の活動家が集うための象徴、碑文はその精神ということらしい(除幕式のパンフレットから)。そのことにとやかくいうつもりはないけれど、部落民魂ということばには、なぜかなじめないものを感じる。おそらくそれは、例えば大和魂のように魂ということばにつきまとう「ウサン臭さ」のせいではないかとにらんでおるんですが、如何。』
 (月刊「こぺる」NO.131 2004年2月号 鴨水記より)

 初めにこの現場で藤田さんからこの話しを聞いたとき、「部落民魂」ということばの使い方を気にされていて、しかし周りの人々も私も、その内容が良く理解できなかった感じでしたが、このようなことだったのですね。
 私としては藤田さん同様、「部落民魂」ということば自体にあまり肯定的なイメージは持てず(そのような意味ではウサン臭いイメージ)、その点は譲ったにしても、当時既に発覚して大問題になっていた京都府連内部の同和対策の補助金不正使用問題の真っ只中、「人としての温もりとやさしさ」ということばも、「多くの誇りうる活動家を育てた」ということばも白々しく聞こえるだけで、大金をはたいて恥の上塗りをしていると感じたのです。
 先人たちは、この状態をどう見ていることでしょう。
2005.2.14掲載:2005.12.2.追加更新 .文責:管理人